井手玉川図は『源氏物語』胡蝶の巻に、六条院で光源氏をはじめ殿上人や若い女房たちが、龍頭鷁首の唐風の舟を仕立てて「舟楽」を楽しんでいる場面を描いたものです。この屏風は宮内庁所蔵の狩野探幽筆の「井出玉川、大井川屏風」(六曲一双)との類似点が人物、背景の配置や服装などに見られ、作者について寺伝では、住吉派と伝えられていますが狩野派との指摘もあります。